最近、郷土の人物を語る会で、話をさせてもらいました。
テーマは「熊沢蕃山~その師中江藤樹と陽明学」です。
岡山県外の人だと、最近は「熊沢蕃山」といってもあまり知らいない人がほとんどだと思うが、中江藤樹の名前は結構多くの人が知っていると思う。
中江藤樹の弟子の一人が熊沢蕃山だが、実はこの人大変な影響をその後の日本に及ぼしているのである。熊沢蕃山は中江藤樹のもとで儒学を学んだあと岡山の池田藩に仕えて、当時としては画期的な善政を行ったが、その後江戸でも有名になり当時の徳川将軍徳川家光公からも出仕の声が掛かるほどだった。しかしその学問が陽明学をとても重要視していたため幕府の御用学者の林羅山などから嫌われ、晩年は不遇の道を歩んでいる。晩年は幕府から蟄居を言い渡されるが、この間数多くの著作を残している。
その中の一つが「大学或問」という本だが、この本には幕府の政治、参勤交代などに対する改革案なども含まれていたため、危険視され発行禁止の処分が出るほどだった。しかしかえってそれが評判になり、幕末近くなると頼山陽や横井小楠、藤田東湖など幕末維新に大きな影響を残す学者や志士たちが好んで読むようになり、それがその後の明治維新を実現させる大きな原動力にもなっていった。勝海舟などもとても高い評価を蕃山与えている。
中江藤樹は日本陽明学の祖とされていますが、熊沢蕃山もその継承者として陽明学者に分類されています。陽明学がその後の特に明治維新前後の日本をリードする主要な学問になっていくのですが、それはこの二人の指定から始まっているのです。
実はこの、中江藤樹と熊沢蕃山の師弟が陽明学に触れるのも「王陽明全集」をまず師の中江藤樹が読み、それで感動した藤樹が弟子の蕃山に教えたのが始まりです。
朱子学の問題点を指摘して書かれたのが王陽明の著書です。王陽明は中江藤樹や熊沢番山からは100年ほど前の人物であるが、書かれた書を通して日本の若者がその思想に共鳴し、日本の改革の思想を著しさらにその著が明治の維新を実現していくのです。
ここに、「書」の持つ大きな意味を実感します。本というのは書いた人の精神や思想の結実体です。まさに遺伝子を組み込まれた種子のようなものです。それは時と空間を超えてのちの時代にまた新しい精神の息吹となり時代が変えられて行くのです。
本の持つ偉大さがわかります。
私も心して本を扱おうと心に決めています。
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